2013年8月26日月曜日

日本禁煙学会による炎上物件

「風立ちぬ」の件で一躍その勇名を馳せたNPO法人 日本禁煙学会ですがネットでフルボッコにされたためか、新たに「要望と見解」をリリースしておりました。いくつかは納得できる部分もあるのですが、10個のコメントのうち6個ほどが暴走に近い内容でございましたよ。

とくに、冒頭の
1. 「風立ちぬ」のテーマは、戦争はやってはいけない=命がいちばん大事だ、と言うことだと思います。私たちも心から共感します。
の部分が強烈で「そんなになテーマだったのか!」と、あまりのシンプルな解釈が涙を誘います。そして、もしかしたら彼らが見た「風立ちぬ」は別の映画なのではないかという疑念を抱かせます。

やつぎばやに
2. しかし、戦争はやってはいけないという素晴らしいメッセージを発信している「風立ちぬ」の中で、タバコを吸うことがあまり悪いことではないどころか「魅力的に」描かれている事に、私たちはとても当惑しています。
3. 原作の主人公のモデルとなった方が、実はタバコを吸わない人だったと言われています(注1)。もしそうならば、吸っていなかった人をむりやりヘビースモーカーに仕立て上げたことになり、歴史をねじ曲げていることにほかなりません。
と続き、さらに涙を誘います。

「風立ちぬ」は2つの物語を土台にした創作であり、主人公はそういう風に造型されたので、「ねじまげ」ではないです。自分の夢を実現するために兵器を開発するような人でなしなのですよ。つまり、病床に伏す最愛のひとの横で、タバコを我慢することすらできない人でなしを描いているわけです。そういう人間の業みたいなものを感じ取るべき部分なので、なんだかリテラシーがないなあと思わざるを得ないのでした。


  • 映画「風立ちぬ」でのタバコの扱いについて(要望)http://www.nosmoke55.jp/action/1308kazetatinu.pdf
  • 映画「風立ちぬ」でのタバコの扱いについて(要望と見解)http://www.nosmoke55.jp/action/1308kazetatinu.html


実は、同法人は『スカイ・クロラ』という映画についても同様に意見書を出していたそうで、読んでみました。難癖に近いのかしらと思って読んでみたのですが、「んんん?」という感じ。これ、触っちゃダメな人なんじゃない?


  • スカイ・クロラの喫煙シーンについてhttp://www.nosmoke55.jp/action/0808skycrawlers.pdf

でもって、他のリリースも少し読みました。

  • JTの「奨学金」は国際条約に違反―白紙撤回を求める声明http://www.nosmoke55.jp/action/1307jtscholarship.html
  • タバコ会社の元社長をNHKの経営委員長に就かせるべきではないhttp://www.nosmoke55.jp/action/1305jt_nhk.html

読めば読むほど、『因果鉄道の旅』に出てもおかしくないかたなのだということが理解できました。

2013年8月21日水曜日

自縄自縛

ランサーズは単に問い合せていて、正しくないなら撤回してくださいと言ってるんだよね。主張の正さを示せないから「言論統制」と言ってるようにも見えるので、このエントリ、自縄自縛みたいなにおいがいたしますね :) ニュースソースを明かせない事案というのは確かにあるのですが、それでも自らの主張の正しさ(少なくとも、そう主張する経緯)は示すことはできます。

あくまで印象論での話だけど、それができないってのはねつ造したというイメージを持たれるし、そういうのが積み重なって信憑性のないメディアというイメージが定着するほうがメディアとしては痛いと思う。

2013年8月15日木曜日

風立ちぬと禁煙学会のアレ

日本禁煙学会のアレの腹立たしさは、内容表現に見当違いの方向で踏みこんだうえで、「他の方法でも十分表現できたはずです」という表現規制をにおわせる文言があるからでしょうね。大人の事情としてクレームを出したと思うし、啓蒙活動も理解できます。でも、出してるクレームの内容が子供のケンカ過ぎて対応に困ります。“他の表現でも十分に苦言を呈することができたはず”です。

ちょっと整理すると『風立ちぬ』は《人でなし》たちを描く映画であって、人でなしに品行方正さを求められても困るというのが、映画を見た者の正直な感想。自分の子供っぽい夢の実現のために手段と目的を入れ違えて兵器を作るような人物なわけで、その人でなしが世間とどう折り合うのかが見物のひとつともいえる。だから夢の世界に逃げ込んだという解釈もありかも。

ともあれ、「学会」というオーソライズされた組織が表現規制をにおわせる文書を出すという構造は、大きな反発をもたらすわけです。

余談ながら『風立ちぬ』で泣いてるやつって、みんな人でなしだと思う(自分を含めてw)。

このコメントは、あくまで自分の解釈なのだけど、『風立ちぬ』は一種のろくでなしを描く映画であって、ろくでなしだからこそ病人の横でスパスパとタバコを吸う。だからこそ、飛行機を作りたいといって兵器を作っちゃって、オチは夢に逃げ込むという見方もできるわけですよ。

つまり、現在の尺度でタブーとされているものを日常として扱っていたことを描くわけです。基本として「眉をひそめるべき行動」を描きたいわけなので、タバコを小道具として使うのは極めて合理的な選択。

とすれば、学会の眉をひそめさせたのは、成功ともいえるんだろうな。

成功とはいえるんだけど、学会のひとのあの文面を読むと、あまりのリテラシーのなさにおじさんは涙が出そうです(あの理解力で映画とか文学とか楽しめるんだろうか?)。

2013年8月14日水曜日

鼻毛鯖を録画鯖に 3

どこまで書いたか忘れたけど、Windows Home Server 2011(WHS2011)をインストールしてうだうだしていた鼻毛鯖(Express 5800/タイプRB)のM/Bが飛んだ件の続きをメモ書き。

って、M/Bが逝ったこと書いたっけ? ともあれ逝った感じだったのですよ。電源入れるとCPUファンはまわるけど、BIOS画面にたどり着かないので。CMOSのクリア(リセットボタンがなかったので、CR2032電池を交換——交換した理由は電池切れという要素をなくしたかったから)もした。でも、起動しないので、たぶんM/Bが逝ったことになると判断。

M/Bを新しく買うかなあ、それともオークションとかで鼻毛鯖を買うかなあとか迷っていて、未練たらたらと電源をいじっていたら、めでたく起動したのでした。

んで、M/Bを買いかえようと思っていたけど、その分の金額を160GBのSSDに投資。悪戦苦闘した原因のひとつが、WHS2011を40GBのSSDにインストールしようとしていて、そのへんが面倒だったから。

到着後、160GBのSSDにインストールして、さくっと設定して、これからキャプチャボードなりを取り付けようとした矢先にまた起動しなくなった(BIOSにたどり着けなくなった)。

やっぱりM/Bが逝ったかなと思いつつも、以前まで起動していたのだから、M/Bに問題はないはず。となれば、パーツ周りかなあと危ぶむ。CPUをCore i5からPen Dに戻してみたら、あっさりと起動した。てことは、CPUなのか? それともCPUクーラーの取り付けが甘くて起動しないとかなのか。

M/BはソケットがLGA1156なのでCPUクーラーはプッシュピン式のややこしいやつ。何度やってもうまく行かなかったため、ピンの先端部の切り口が外側に開いてしまっている。これもあって、M/Bのダボ穴にキレイに収まらない。

ピンの先端部はビニール系の樹脂なので、ラジオペンチで切り口を綴じた状態にしてドライヤーをかける。これで閉じた形になって、うまく収まった。でもって、グリスを塗って起動したら、うまく行った。CPUクーラーだったみたいだ。ちょっと、このへんを警戒しながら、先の作業に入りたいところ。

CPUクーラー買うべきなの? とか思いつつ、HWmonitorを入れてみたら、CPUの温度27〜30度だって。けっこう優秀だ……。

2013年8月12日月曜日

夏とアイロンと障子紙

障子紙がはがれ落ちたので、仕方なく障子を貼り替えている。失敗しても簡単に貼り替えられるアイロンで張る障子紙を選びました。ええと、この夏には選択ミスだった気もしておりますw

2013年8月11日日曜日

40代から上の手クセ

全文、読んだけど、この元の文章を書いたのは40代くらいから上だと思う。改行の入れ方とか、1文字字下げとか、見出しに■を入れるとか、インターネットのfj系ではなくパソ通やってたひとだろうと思う。

少なくとも、ゆうちゃんの世代にあたる、ネットBBSの単文文化で育った世代は、あまり段落冒頭の1字下げはしないですしおすし。

2013年8月8日木曜日

へたくそがやるシムシティー

扇情的なおかつ蔑視的な内容は好みではないのですが、「へたくそがやるシムシティー」という一文があまりにも的を射ていますね。

シャドーバンキングの崩壊って、日本のバブル破綻でも街金が逝って、そのあとに商工ローンという順番だった気がします。末端から壊死する感じなんですよね。

2013年8月7日水曜日

『風立ちぬ』を見てきたのでダラダラと感想を書く

『風立ちぬ』を見てきたので、ネタを割らずにメモをダラダラと書いておきます。

ひとことでいうと宮崎駿が「映画」を作ったことに感動しました。

リアルタイムで宮崎駿を追ってきた者たちほど、今作にして、ようやく「宮さんが自分のために映画を作った」ことに感激しております。これまで「息子の世代のため」とか「女の子のため」とか、「誰かのため」という建前を使って自分の好きな要素を盛り込んできた宮崎駿が、そういう変化球なしで自分のためにとわがままを言ったのが喜ばしいです。

ある種、作家性の誕生というか、「宮崎時空に引きずり込め〜」というか、そういう感触がありました。

映画の全体像については、おそらく年齢層によって感じ方が変わるでしょう。三島由紀夫の『金閣寺』も10代・20代・30代と読む年代によって受け取りかたが変わる多面的な構造を持っているのですが、『風立ちぬ』もおそらくそういう感じです。とくに40代くらいになって、大切な人との離別や死別を体験している世代だと、切なさで胸が張り裂けそうになります。というか、なりました。

映画の構造としては“兵器”の開発なので、開発されるほど、つまり物語が進むほど、戦争に近づき、悲劇的な状況になるということを見るすべてが知っているわけです。物語が進むにつれて、カタルシスと悲劇のピークが一致するという構造なわけですね。悲劇についても、戦争以外の別方向からもさらに補強されて、より切なくなっていきます。とはいえ、その切ないラストをさらっと見せようとする宮崎駿の職人芸にはひたすら脱帽いたしました。

他にも演出的な職人芸としては随所にあって、夢というか妄想を使って、説明を省力しているところが絶妙でした。夢の世界に行って、ちゃんと帰ってくるときの着地の仕方がとても丁寧。“世界系”でよくあるブツ切り描写ではありません。だてに何十年も演出やっていないです。

それから今回は高坂希太郎さんがメインの作画監督で立っているのが良かった。あのヒロインの可憐さとか健気さと強さとかわいさは、高坂さんのフィルターがあってこそのものだと思う(個人的に)。

また、キャスティングで物議を醸していた庵野さんの主役抜擢ですが、結果としてアレでよかった。他のキャストがうますぎるので、主役までうまいと生々しさは出ないのだ。たぶん当代切っての名優を主役に抜擢したとしても、どこかにプロっぽさが出てしまうので、あの存在感は出せなかったのじゃないかと思う。どうも途中から庵野さんにアテぶりしてコンテ切ったんじゃないだろうかと思っくらハマっておりました。

なんとなくではあるけど、本作の主役にはある種の演技の「下手さ」が求められたのだと思う。下手な声が入ることによる、妙な不安感。ちょうど音楽でいうテンションコードみたいなもの。キレイにコードをまとめるのじゃなく、不安定なノートを入れることでちょっと緊張感が漂う感じだ。ただ、庵野さんはadd9みたいな都会的なノートじゃなくて、sus4みたいな泥臭いノートだと思う(あくまで印象)。

あと、いくつか気になった点。

主人公の同期として描かれる本庄って男がいます。主人公と本庄の関係性に、宮崎さんと高畑さんの関係性を重ねる人も多いかもしれません。かつて山本夏彦は『無想庵物語』で武林無想庵を描きながら、実は自分の半生を描くというトリッキーな技をやってのけました。今作もそういうふうに宮崎駿が誰かに誰かを重ねて、自分の話を描いている部分もありそうです。

技術的なところだと、序盤の背景が少し浮いた感じがするんですよね。黒浮きというか。油絵っぽいというか。細かく描いてあるのだけど、すごく平面的なんですよ。途中まで色彩設定とミスマッチした感じがしました。ただ、光を描写するシーンあたりから、印象が変わってきたので、制作過程で背景のスキャン方法を変えたのかもしれません(サンライズでは背景をスキャンせずにデジカメで撮影しているそうですし、そういうのかもしれません)。

以上、ダラダラとしたメモでした。

これまで宮崎駿が恥ずかしがって出さなかった作家性を初めて出した初々しさと、老獪な職人技が織りなすキメラみたいな映画でした。

ともあれ、おっさんは見れ! そして泣け! そしてヒロインに惚れろ!

2013年8月6日火曜日

米軍カメラマンが見た長崎

twitterで紹介されていた動画。NHKスペシャルなので違法ではあるのだけど、紹介したほうがいい気もした。観たいかただけどうぞ。

ちなみに、長崎の子たちは(たぶん広島もだろうけど)、夏休みに2回登校日があります。そのうちの1日が8月9日です。暑い体育館にギュウギュウに詰め込まれて、体育座りをして原爆記録映画を鑑賞させられます。瓦礫と化した長崎市内、校庭に山盛りになった死体、ケロイドになって泣き叫ぶ少女などを目に焼き付けさせられるのですよ。それが終わったら、教室に戻って原爆読本の読み聞かせがあります。もうね、トラウマ以上のなにものでもない登校日で、小学校1年のときはクラスの半分くらいは泣いてましたわ。

という目でみると、この動画はそんなにショッキングではないです :)

鼻毛鯖を録画鯖に 2

鼻毛鯖(Express 5800/タイプRB)用のCPU(ディスコンだったので中古)は札幌のドスパラを出発して、水曜日に到着みたい。てことは木曜日か金曜日に作業かなあ。OSはWHS2011で、こちらは明日到着予定。80GBのSSDだと、USBメモリでの経由でトリッキーな方法でのインストールになるので、いまのうちに準備しとこうと思ったら、80GBのSSDじゃなくて40GBで組んだことをすっかり忘れていた。

cfg.iniでWindowsPartitionSizeをMAXで設定するのではなく、論理ドライブを決め打ちするとよいみたいなのだけど、実際にどうなるかはわからない模様。ともかく、インストールはやってみないとわからない感じ。できなかったら、余ってるSATAのHDDにインストールしてSSDにクローンを作る方法があるところまでは調べた。面倒くさそー。

インストール手順を調べたら、ドライバの入っているディスクがどっかにいってて、それを探しだすのに一苦労だった(メーカーから落とそうとしたけど、それも面倒だった)。

あと、セキュリティ関係として、サーバーOSなのでアンチウイルスソフトのMSEが使えないので、ClamAVかJUSTインターネットセキュリティのどっちか。

続きは明日。

2013年8月5日月曜日

日焼け止め

日焼け止めが切れたので、近所のマツモトキヨシには「ビオレ さらさらUV パーフェクトミルク SPF50+ http://www.kao.com/jp/bioresarasarauv/bsu_perfect_milk_00.html 」がなかった。いくつか物色したのだけど、ジェルしか置いてなくて困った。んで、残された選択肢が「MK CUSTOMER UVプロテクション スーパー」という屈辱感。製造が近江兄弟社というところに望みを託して買って帰ってきたのであった。200円だったし。

んで、調べてみたら@コスメでけっこう評判がよくて、ちょっとほっとしていたりするのでしたよ。http://www.cosme.net/product/product_id/354902/top

ビオレ さらさらUV パーフェクトミルク SPF50+はAmazonに置いていることがわかったので、次回からはそっちで買います。

鼻毛鯖を録画鯖に 1

鼻毛鯖(Express 5800/タイプRB)を録画マシンにしようとして、もろもろピックアップ中。Core i5 660とWindows Home Server 2011を購入。OSのインストール先が160GB以上ないといけないとのことだけど、システム用のSSDは80GBしかない。回避策はあるみたいなので、そのまま注文しておいた。CPUの到着次第で構築に入りたいです。今週目標かな。

2013年8月2日金曜日

NEC撤退を読み解く補助線

NECがスマホ市場から撤退することについて。モバイルに強いNECにはMEDIASや古くはシグマリオンなどがあったのに……という声があって、一瞬納得しかけたのだけど、結局、NECはハードウェアの会社なのだという補助線を引くと撤退も仕方ないものだなあと思ったりした。

フィーチャーフォンで、組み込みOS込みで独自ハードを作るってのは、NECとしては悪くない選択じゃないかな。独自色出せそうだし、小さいの作るの得意だし。